百四、ひきはじめの風邪を追い払うコツ

医針伝心

土居治療院 土居望院長コラム

 

世界中が新型コロナウイルスの感染、流行にパニック寸前の異常事態である。

このコラムでは、東洋医学の面から、予防や治療のヒントを示せればと思う。

 

東洋医学からの「コロナ」対策 

コロナウイルスの一種は、カゼを引き起こすウイルスである(※ただし「新型」については解明されていないことが多い)。

東洋医学では、カゼは風邪(ふうじゃ)と呼ばれる邪気が、体内に入って起こると考えられてきた。この目に見えない邪気とは、当然、ウイルスや細菌のことである。  

では、その邪気はどこから体に入るのかというと、東洋医学では、背中にある風邪の門(風門のツボ)としている。  

現代では、ウイルスは口や鼻といった上気道から入るものとされているから、非科学的な話と聞こえるかもしれないが、実際、ここを刺激すると体がとても楽になる。それは、東洋医学が、人体を部分部分の集まりとは考えず、丸ごと一つの全体と考えていたからである。そして、症状をいかに軽く抑えるかを経験的に知っていたからであろう。  位置は、背部、首の付け根から少しだけ下にとる。背骨の両脇の位置である。そう書くと難しく聞こえるかもしれないが、もともとツボに大きさはない――これは私の持論である。 

 

具体的にどうすればよいか

あなたの家にある使い捨てカイロを首の付け根の少し下、位置は中心に貼ってみていただきたい。

今回のコロナウイルス、今のところ治療法がない上、感染すると上気道より下気道で増殖するといい、ウイルス性肺炎を起こす例も見られている。

風門のツボを温めることで、気道の働きを高めれば、たとえ感染しても重症化を避けられるのではないか。未解明のことが多いなかで迂闊には言えないが、東洋医学の見解が、何か少しでもヒントになったら……と思う。

 

プロフィール

土居 望

「土居治療院」院長。開業37年で、治療した患者はのべ20万人以上。鍼灸師卒後臨床研修指導員。ツボや鍼灸への研究を続けており、独自の治療観を持つ。著書に『鍼灸の奥義、あなたもツボ治療の達人になれる』(青萌堂)、『東洋医学ノート』(法研)がある。TEL042-475-9375。東久留米市東本町13-2。

 

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